Mag-log in「はぁ……んあ、カイン。や……まだ動かないでぇ……はぁ、あっん……!!」智也の縋るような声を無視して、カインが腰を動かし始めた。結ばれた箇所を打ち込まれるたびに、湿った水音が狭い空間にじゅぶじゅぶと響く。智也は、自分の中がすでに熱に溶かされ、甘く濡れていることを嫌でも思い知らされた。受け入れてしまった身体は、彼を拒むどころか、柔らかく締めては緩め、深く呑み込んでいく。奥を擦られるたびに子宮のあたりがきゅんと熱を持ち、身体の芯からじわじわと火照っていった。熱に浮かされるように頭がぼんやりとしてくる。「はぁ……はぁ……お前が俺に抱かれるのは……アーサーの為か? あいつを守る為に、俺に抱かれるのか? ……くっ、締めてくる……答えろよ……!!」カインの動きがさらに激しくなる。けれど智也には、もうその言葉さえまともに頭に入ってこなかった。二度目の交わりがもたらす刺激に、理性が薄く削られていく。それが怖いのに、快感は容赦なく智也の身体を内側から満たしていく。智也は目尻に涙を浮かべながら、かすれる声で懇願した。「カイン……お願い。ゆっくり動いて……はぁん、あ……ああ……」その声がようやく届いたのか、カインの動きが少しだけ緩む。だがその代わりに、彼の両手が智也の胸へ伸びた。荒々しく掴まれ、揉み上げられるたびに痛みと甘さが入り混じった痺れが走る。拒みたいのに、智也の身体はその刺激に逆らえず、ますます熱を滲ませていった。両手をカインの首の後ろで組んだままでは、身を守ることさえできない。揉まれた胸は淡い桃色に染まり、先端は羞恥を訴えるように敏感に尖っていた。互いの熱が絡み合うたびに、二人を繋ぐ動きはますます滑らかになっていく。「お前は俺の側室だ……はぁ……はぁ……お前の願いは叶える。アーサーの身は保障する。だから……」カインは荒い息の合間に、智也を抱きしめる腕へ力を込めた。「俺が死ぬその時まで、俺の傍にいてくれ……独りにしないでくれ……んっあ!!」その言葉に、智也の身体がびくりと反応した。切実な声に胸の奥が震えて、智也の内側がきゅうと彼を締めつける。カインは快感に身を震わせながら智也をさらに抱き寄せた。やがて彼は智也を抱いたままベンチから降り、そのまま床へ身を横たえる。体勢が変わり、智也は彼を跨ぐ形になった。「トモヤ、自分で腰を動かして感じるところを刺激し
智也は、成り行きからカインの昂りを鎮める役目を引き受けることになってしまった。自分から言い出したことでもあり、いまさら冗談だったとも言い出せず、智也は覚悟を決めた。「じゃあ、カインはベンチに座ってくれる?」カインは智也に言われるまま、湯あがり用のベンチに腰を下ろした。智也はその前に立つと、思わずごくりと唾を飲み込んだ。近くで見ると、彼の体つきは思っていた以上に逞しく、男としての存在感が否応なく迫ってくる。その圧に気圧され、智也は妙なことを口走ってしまった。「うーー、私のより大きいなぁ。ちくしょう!」「……お前にそれがあったとは思わなかったな」「あ、前世の話だから気にしないで。今は、ばっちり何も無いから」そう言って、智也はうっかり自分の下半身を指差してしまった。すると、カインが興味深そうに視線を落としてくる。その視線を感じた途端、さっきまで顔を出していた元男の意識がしゅるしゅるとしぼみ、代わりに女としての羞恥が一気にせり上がってきた。智也は真っ赤になって、慌てて両手で股を隠した。「そ、そんなに見ないでよ。恥ずかしいでしょ!!」「お前が自分で示したんだろう? 本当に変な奴だな」「うっ。まあいいわ。さっさと終わらせるから、ちゃんとしてて」カインは面白そうに口元をゆるめた。智也はそんな彼の態度にむっとしながらも、逃げるわけにはいかないと腹を括った。目の前の男は、今夜フレアを寝室に招くつもりでいる。その前に少し落ち着かせる――そのはずだった。けれど、いざこうして向き合ってみると、智也の胸の奥は落ち着くどころか、妙にざわついていた。触れれば、カインの体温が伝わってくる。近付けば、彼の匂いがする。智也は自分の鼓動が早まっていくのを感じながら、ぎこちなく彼に手を伸ばした。その途端、カインが小さく息を漏らす。智也はその反応に、ますます落ち着かなくなった。自分が触れているせいで、彼が確かに反応している。その事実が、智也の体の奥までじわりと熱くしていく。「トモヤ、俺が落ち着く前に、お前のほうが動揺してどうするんだ」「し、仕方ないでしょ。この体って……敏感すぎるんだもん!!」からかうような口調に、智也は顔を真っ赤にした。こんな状況なのに、カインには余裕があるらしい。それが悔しくて、智也は少し乱暴に顔を伏せた。けれど、思った以上にこの役目は大変だっ
「俺は子供の頃から怖がりで、恐ろしいものや理解できないものは、目の前から排除する癖がついていた」カインは湯気の向こうで、静かにそう言った。「それが許される環境で育てられたこともあって、俺は目障りな人物がいれば、その者を王宮から追い出したことが何度もあった」彼はそこで一度言葉を切った。智也は黙って、その続きを待った。「そして、目の前にアーサーと契約した魔法使いの少女が現れた時、俺は今までに感じたことのない恐怖を感じたんだ。俺の居場所を奪いかねないその少女の言動も許せなかった」カインの声は、ひどく乾いていた。「そして俺は……十一歳の時に初めて人を斬り殺してしまった。目の前から恐怖を排除したい、その一心だった」「その少女が『トモ』なんだよね」智也は、ゆっくりと言葉を返した。「ギルミット一族の末裔だった彼女は、死ぬ間際に次期王位のあなたへ強力な呪いを掛けた。そして……今もその呪いによって、カインは体を蝕まれている」智也がそう言うと、カインははっとしたように智也から身を離した。突然支えをなくした智也は、湯船の中で足元をぐらつかせる。沈みかけた智也の片腕をカインが掴み、その体勢を立て直した。「誰に聞いた?」「治療院の女医のギーナよ」「患者のことをべらべらと話すとは困った奴だな」「先生はいい人だよ。あなたのことを心配している」その言葉に、カインは小さく鼻で笑った。「お前も相当のお人よしだよな。アーサーからお前を奪って、側室の指輪で束縛したのに。さっきだって、俺が湯船で溺れたと思って助けに来てくれただろう?」カインは智也を見つめた。湯気の向こうのその目は、どこか遠い。「王宮でお前を見た時に、『トモ』とは違うと思った俺の勘は当たっていたな。『トモ』はもっと冷たい目をしていた」カインは低く呟いた。「もしお前が『トモ』のように冷たい目をしていたなら、俺はお前を殺していたかもしれない。……まあ、アーサーからその身を奪ったことには変わりないがな」『トモ』が冷たい目をしていた――。智也の中の『トモ』の像が、また少し形を変えていく。カインに殺された可哀想な少女。その輪郭の奥に、黒い影のようなものが見え隠れした。「アーサーは信じないだろうが、『トモ』はギルミット一族の末裔としてこの王国に復讐しようとしていたのではないかと、俺は思っている」カインは自
カインの側室とはいえ、彼と肌を重ねたのは一度きりだ。そんな相手が同じ温泉に裸で浸かっていると思うと、智也はどうにも居心地が悪かった。一緒に温泉に来た妹のモモは、そんな空気などまるで気にしていないらしい。男性の存在を意識することもなく、広い湯船ではしゃぎ始めた。ばしゃばしゃと水音が立つ。いくら広い湯船とはいえ、さすがに行儀が悪い。「こら、モモ!! 湯船で泳いだら駄目だよ」「だって気持ちいいんだもーーーん。ふにゃぁーーーーーーー」智也が注意すると、今度はモモはゆるゆると湯の上を漂うように遊び始めた。まったく悪びれる様子がない。智也は呆れながらも、元気そうな妹の様子に少しだけ肩の力を抜いた。すると、湯気の向こうからカインの声がした。「いいじゃないか、モモを遊ばせておけよ。湯船は広いし、お前とトモヤしかいないのだから邪魔にもならんだろう」低く落ち着いた声音に、智也の肩がぴくりと揺れた。「それより、こっちに来ないかトモヤ?」「え? あ、その……遠慮しときます」「お前は俺の側室だろ。たまには、俺に奉仕したらどうだ?」「ほ、奉仕? 奉仕って何よ!! まさかここで変なことしろとか言うんじゃないでしょうね!!」智也が慌ててそう言うと、カインはくつくつと喉の奥で笑った。「風呂でそういうことをするのも悪くないな。だが、ここでやったら俺はレンに殺されそうだ」カインは冗談めかして言ったが、次の言葉は妙に静かだった。「お前、俺に襲われたらレンに助けを求めるだろ? あいつに殺されるのはごめんだからな。まだ……死にたくない」「カイン……」その『死にたくない』という言葉を、智也は以前のように軽口として受け流せなかった。ギーナから聞かされた呪いの話が、嫌でも頭をよぎる。カインは『トモ』の呪いによって、そう遠くない未来に命を落とすかもしれない。そう思うと、胸の奥が妙にざわついた。智也はその気持ちをごまかすように、明るい話題を持ち出した。「あのね、フレアがね、今度カインに夜誘われたらあなたの部屋に行くって言ってた」智也はできるだけ軽い口調で続けた。「彼女、あなたのことがとっても好きなんだよ。ちゃんと向き合いたいって思ってる。だから……優しくしてあげてね。私のときみたいに無茶したら駄目だからね!!」その言葉に、カインはわずかに目を細めた。「そうか。では今夜、誘
正妃フレアのダイエット大作戦が開始された。ギルドが女に変身できたように、魔法でフレアの体型を変えてしまうことも可能だったかもしれないが、その方法は取らなかった。智也は、フレアに自信を持って欲しかった。彼女は確かに美人とはいえないが、ぽっちゃり可愛い系と言えなくもない。……まあ、好みの問題だが。とにかく、彼女が安産型体型であることは元男の智也にも分かる。カインからの願いを引き受けた以上、智也はフレアにお世継ぎを産んで欲しかった。彼女なら、良い母になれると思うから。智也は治療院の女医ギーナに頼んでダイエットメニューを組んでもらった。ギーナは、すこし食べるだけでお腹がいっぱいになるパンを作ってくれた。それを中心として、野菜中心の食事に切り替えた。やる気を出したフレアは、そのダイエット食を毎日食べて食後は智也や女性化したギルドとモモと一緒に中庭のバラ園を散策した。中央の噴水で猫モモが水浴びをする中、ベンチに座ったフレアは智也に真面目な顔で話しかけてきた。「ねえ、トモヤ。あなたは……カイン様の事をどう思っていらっしゃるの? 彼のお世継ぎを産みたいとは思わないのですか?」「え、わたし??ん……」智也は思わず黙り込んでしまった。アーサーと逢えなくなって随分時が経つ。彼の声や彼の姿を思い浮かべるたびに胸は苦しくなる。でも、逢えない時間が長くなるほどに、もしかしたら彼への想いが『愛』ではなかったのではないかと思い始めている自分がいる。今では彼とセックスすることが怖いと思っていた。もし、智也の中でアーサーが『愛する人』でなくなっていたなら、アーサーに抱かれても異世界から元の世界に帰ることができない。自分の『愛』が試されるようで、怖くてたまらなかった。智也は、自嘲の笑みを浮かべて口を開いた。「ごめんね、フレア。私、あなたが初夜の日に逃げちゃったことを正直、笑っちゃったんだよね。フレアは怖がりなんだなって」智也は続けた。「でも……私も一緒だ。私も怖くて堪らないよ。抱かれて自分の本心を知るのが怖いよ。怖くてたまらない……『愛する人』なんて、本当にこの世に存在するのかなって、疑心暗鬼状態。フレアを笑った自分が恥ずかしいよ」「トモヤ」フレアは、そっと智也の手にその手を重ねてくれた。もう彼女の手は、むくみはなくすっきりとしていた。ダイエットは順調で、ぼってり体型からぽっ
魔法使いのギルドが女性化したのはいいとして、その格好が刺激的過ぎた。トップレスにマント姿のギルドは、ベッドに潜り込んでいるフレアに話しかけた。亀のように、ベッドから顔だけ出したフレアがギルドの女性化した姿を見て、また顔を引っ込めてしまった。「ああーーーーー、男のギルドがこんなにも美しいのにどうして私はこんなにも醜いのぉお」またベッドに潜って泣き出してしまった。智也はギルドの胸……じゃなくて、魔法使いの顔を見て口を開いた。「とりあえず、魔法でこの部屋のお菓子と紙くずを処理して清潔にして。それからテーブルには美しい花と……そうね、果物をすこし置いて。できる?」「もちろんです、トモヤ様」ギルドはそう言うと、手をかざし呪文を唱え始めた。蓮は魔法を使うとき呪文を使わないが、この世界の魔法使いは魔法を使う時に呪文を唱えるらしい。ギルドが呪文を唱え終わると、部屋の中央にブラックホールのような球体の暗黒が現れた。床に散らばっていたお菓子の包み紙やクッキーの食べかすがそこに吸い込まれていって、一気に部屋が綺麗になった。そして、そのブラックホールは役目を終えると小さくなって部屋から消えた。「掃除機?空気清浄機って感じかな。湿気も取れてたみたいね!!澱んだ空気も無くなってすっきりしたぁーーーって、あれ???ちょっと、猫モモがまだいないんだけどまさか掃除機で吸い取ったんじゃないでしょうねぇえ!!」智也が焦ってそう叫ぶと、当のモモがギルドの背中を這い上がってギルドの頭に顎をのせてにゃーと鳴き声を出して笑った。猫モモはギルドが気に入っているらしく、背中に張り付いたり前に回りこんでギルドの豊満なニセ乳房を楽しそうに弄って遊んでいた。ギルドは気にならないのか、猫モモにされるがままになっていた。テーブルには美しい花と果物が注文通り用意されている。魔法って本当に便利だ、と智也は思った。「さて、部屋も綺麗になったことだし……フレア、ベッドから出てきなさい」「嫌です。トモヤ様の頼みでもベッドからは出ません。ひっく、ひっく」「まだ泣いてるの?もう、仕方ないなぁ」智也は溜息をついた。そして、ベッドの中にもぐりこむことにした。お菓子を食べ過ぎてぽっちゃりさんからぼってりさんになってしまったフレアの体に触れると、彼女がびくりと震えた。「ひっ、トモヤ様!!」「大丈夫、じっとしていて」
カインは智也の白いドレスのような下着の裾を捲って、手を差し込んできた。太ももを揉むように触りながら、カインの指先が秘部を包み隠す生理用下着に触れる。智也は、羞恥心で涙を零しながら、懇願していた。「やめてよ、カイン。触らないで!」「生理用の下着だな」カインは智也を見下ろした。「それにしても、良い香りがする……下着にも香水を染み込ませているのか?」「そんなことするわけ無いだろ! もうやめてって。嫌よ、嫌っ!」カインが智也の懇願など聞き入れるはずがない。カインは、躊躇無くメアリー特製の生理用下着を掴むと腰からずらして足から抜き取った。カインはその下着をじろじろ見た後、意地悪な笑みを
アーサーの分身は青く透き通り、美しく輝いていた。その彼が智也の前に立ちはだかり、剣を構える。カインは苦々しげにアーサーの分身を見つめる。負傷したカインを守るために、数人の兵士がアーサーの分身を取り囲み剣を抜いた。緊迫した状況で、魔法使いのギルドが口を開いた。「アーサー様の分身といえどもあの魔法使いが作り出したものだ。一介の兵士にかなうはずが無い!」その言葉の通り、早ってアーサーの分身に切りかかった兵士の一人が、分身と剣を交わすまでも無く胸から首にかけて斬られた。血を噴出しながら床に倒れこむ。ドロンとした目をした男の首から溢れ出た血が、床を赤く染めていく。壁に寄りかかるように立って
語気を強めたアーサーに、智也は静かに声を掛けた。アーサーははっとしたように智也を見つめ、冷静さを取り戻すと苦笑いを浮かべた。「負け犬の遠吠えだな」アーサーは息を吐いた。「弟のカインが結婚することは祝うべきだ。……相手が王家の血を継ぐ者なら、カインの地位も安定する」アーサーの声は淡々としている。「あいつはいまだに魔法使いと契約していない。そのことで貴族から色々と噂を立てられていてな」アーサーは窓の外を見た。「だが、婚姻相手は強力な魔法使いと契約している。カインは婚姻と同時に強力な魔法使いを手に入れる。もう誰も、彼の王位継承を疑わないだろう」――カインが死なない限りは。アーサ
蓮の優しさに触れて、今度は智也から蓮の唇を奪っていた。軽く、優しいキス。そのキスを蓮が受けて智也をぎゅっと抱きしめてくれた。その時だった。薔薇の垣根から咳払いが聞こえた。そして、寝込んでいたはずのメアリーとその背中にしがみ付いた猫モモが現れた。「メアリー、モモ!!」智也が二人の名を呼ぶと、メアリーは憎々しげに智也を見て言い放った。「ちょっと、アーサーお兄様に言い寄った挙句、レンにまで色目使ってんじゃないわよ」メアリーの声が高くなる。「あんたのせいで、私は大事なペニスコレクションをお兄様に見られて悲しんでいるっていうのに、なにレンといちゃいちゃしているのよ。話は聞かせてもらっ